助成金は「雇用保険」が原資です

意外と知られていない助成金のこと

助成金の目的をご存知でしょうか?

意外と知られていないのが、助成金は会社が支払っている「雇用保険」が原資で成り立っている精度です。

この制度は、「雇用三事業」といわれる
● 雇用を安定させる
● 従業員の能力を開発する
● 福祉を増進させる

という3つの目的のために、一定の条件をつけて事業主に支給されているものです。

つまり、雇用保険に加入している全ての企業には、助成金を受け取る権利があるわけです。
さらに言ってしまえば、企業が支払った雇用保険料は助成金を受け取らない限り戻ってきません。

ところが、助成金の種類ごとに申請の窓口が変わり、仕組みがわかりにくかったり、煩雑な手続きが高いハードルとなって、非常に残念なことに多くの中小企業では積極的に利用されていないのも事実です。

現状の助成金の特徴

(1)就職難を受け対象者の枠が広がる

倒産やリストラ以外にも失業の原因はさまざまです。雇用に伴う助成金についても受給要件の幅が広がっています。定
年退職した60代、増加の傾向にある母子家庭の母などを雇う場合にも助成金が受給できます。また、企業が考える「退職を余儀なくされた人」に対するイメージよりも実力の高い人材を、助成金を使って雇い入れることも可能です。

(2)定年延長や看護関連の助成金を強化

企業に対して支給される助成金や、介護福祉業界の人材難を解決するための助成金などを充実することにより、これからの高齢化社会に対応していこうとしています。

(3)新規・成長分野に対する積極的な給付

将来の雇用拡大を狙って、これから発展しそうな業種を積極的に後押しする動きがあります。新規事業や、従業員のスキルアップ等に関して、前向きな姿勢で事業に取り組んでいる企業にとっては見逃せません。

助成金受給のポイント

助成金の受給は、2~3年前に比べて、かなり難しくなってきています。 ポイントを抑えて申請をしないと、受給は難しいでしょう。

事前準備が大切

助成金を受給するためには、事前準備が何より大切です。
私共のところへご相談に来て頂いた方の中には、事前準備の不備(遅れ)により本来であれば、助成金を受給できたはずなのに、結果的に受給できなかった方も見えます。 会社設立前あるいは従業員の雇用前に提出しなければならないものもありますので、事前準備はしっかり行ないましょう。
 とにかく早め早めに行動することが大切です。

領収書は必ず保管

会社設立(創業・起業)の経費に対して出る助成金については、その経費についての証拠書類(領収書や契約書)を求められます。その時に備えて、領収書等は大切に保管しておきましょう。

労働保険・社会保険への加入

会社を設立すれば社会保険(厚生年金・健康保険)への加入は義務となります。また、従業員を雇用すれば労働保険(雇用保険・労働保険)への加入も義務となります。 助成金は雇用保険料を財源としているため、多くの助成金は雇用保険に加入していることを条件としています。そのため、従業員を雇用する場合は、すぐに加入手続きを行うことが必要です。
また、加入後は保険料を滞納しないように気をつけなければなりません。

法律で定められた帳簿書類は揃えておく

労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、就業規則、現金出納帳、総勘定元帳など法律で義務付けられている帳簿類も必ず準備しておきましょう。 助成金を申請すると、申請時、審査中、受給後に調査が入る場合があります。その時に上記の帳簿種類の提出を求められることがありますので、その時に慌てないように日頃から備えておきます。

人の管理も重要

従業員を雇用したことによる助成金を受給した場合、その人を一方的に解雇してしまうと助成金を返還しなければならなくなります。従業員を雇う時はもちろん雇ってからもトラブル等を起こさないように管理していく必要があります。 
過去に解雇したことがある場合は、その後しばらくは助成金を受給できない場合もありますので解雇する場合は十分注意してください。

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